思い出す①

結局やっぱり、半年放置していた。音楽も記事もありすぎて(目に入れすぎているのかもしれない)自分が何か残さなくてもいいか、と思い続けた結果の今。

前回が9月だったので、それからのことを思い出せる限りで思い出す。

 

2019年10月

6日、butaji×高井息吹@KDjapon。折坂さんと共作の「トーチ」を初めて聴く。めちゃくちゃやさしいけどつよい曲、という印象。お二人とも、歌う曲をその場で決めていた。高井さんをあまり前情報入れずに観たら衝撃を受けた。軽率な感想だけど、我々世代の矢野顕子。屈託がなさすぎた。最後は「抱きしめて」を一緒に。


butaji - 抱きしめて

前半はトリエンナーレ会期中。会期最後の週末土曜に台風直撃。優河さんが久々に観られる、と楽しみにしていたなごの音楽祭も中止。このときは確かJRも早い段階から終日運行停止を決めていて、ライブも軒並み中止or延期。「さあそっちはやるのかい?やらないのかい?」みたいな絶妙なせめぎあいが各イベントやお店であった。このときに、「外に出られなくなる」っていうリスクをもう少し深堀できていたら、とも思う。

 22日、OGRE YOU ASSHOLE@クアトロ。火曜日祝日だけど、愛知県ではほとんどその概念はない気もする。というのもあってか、段上がった最善には椅子が出ていて少し凹む。サマファンのDJは最高。アルバム「新しい人」リリースツアー。明るいディストピア感、に合うからかわりと初期の曲を挟み込みつつのセット。最初に観たときには完成していたけど、まだ深くなりようがあるのか、と驚いた。


OGRE YOU ASSHOLE 『また明日 (alternate version)』Live at EX THEATER ROPPONGI

 

27日、CRCK/LCKS@池下UPSET。日曜ってのもあるのか、ほぼ満員でうれしい。そして初名古屋ワンマン。小田さんワントップで真正面向いて、4人は後ろに横並びスタイル。新曲もめちゃくちゃよかった(正直あとで出たTemporary2で聴くよりよかった)し、全体の流れもすごく綺麗。サーチライトは毎回泣いてしまう。

 

10月は中盤から仕事が理不尽な詰み方してきて、わりと気持ちがギリギリだった。行く気満々だったけど平日でライブあきらめたのも10月末のペトロールズ@ダイホが初めて。

2019年11月

 参加2回目のFRUE@つま恋。往復鈍行で行こうと思っていたけれど、仕事で疲れて行きは新幹線。ceroとか水カンがいるとはいえ、前回に増して渋い面子。

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FESTIVAL de FRUE 2019 Timetable

予習とかしなくても安心して飛び込めるオーガナイズ、って本当に貴重。前年より客数も増え過ぎない程度に増えていた感じがしたし、どちらのステージもサウンドシステムがかなり増強されていて、音響死角がかなり減っていたと思う。

初日は予備知識なしでみたvesselにくらってしまった。


Vessel - Paplu (Love That Moves The Sun) Live at Club2Club 2018

うん、これは「くらってしまった」としか書けない。最初のパートで劇場の客席の間を這い回る女性の映像があり、トリエンナーレの劇団アルテミス「ものがたりのものがたり」に出てきた「劇場に生きる種族」を思い出した。

2日め、Laraajiヨガセットからスタート。ポーズをキープしてストレッチ、というよりは笑いヨガ、というか、完全にこれもトリエンナーレホドロフスキー。草むらに完全に力抜いて寝転がった状態から、少しずつ起き上がって、指先まで動かすことができるのを意識して、みたいな。ポッドキャスト:こんにちは未来、でたまに出てくるinner peace(内なる平和、心が平和な状態)の保ち方として、日本はスピリチュアルに関して懐疑的な空気があるけど、自分の身体の状態を把握する方法の1つとしてありだなと思う。

ceroを待つ人が増えても2列めくらいまでしかいないのがこのフェスのよいところ。最前で観ることなんて今後ないと思い、はしもっちゃんの真ん前でみる。まさかのroofを演奏。ホールの隙間から見える薄曇りの夕方の木々、とか多少の廃墟感とすごく合っていた。髙城くん:「こんな暗いフェスないよね、最高」。ほんとうにそう。珍しく街の報せの序盤で歌詞が出てこずやり直す。

名古屋帰ってきて、のろしレコード@ブラジルコーヒー。夜久一さんの衝撃。


夜久一「流れ者」

アコギからエレキの弾き語りに転向して1年弱(まじでエレキの音源も動画も見つからなかった)、でなんでそんなことできるの?っていうエレキギター。ツマミでのボリューム調整とか全部含めて、ニュアンスの鬼。まさに「ギター侍」って冗談なく言えてしまう。でも喋ると嵐の大野さんみたいな喋り方。折坂さんもそうだけど、軽率な言い方をすれば、演歌とフォークの今の音楽をまっすぐ意味のある形で繋げている人だと思った。

 

15日、金曜日。昼休憩でLINEを開くと、NICO Touches Wallsからの画像が来ている。やっと1125の告知か、と思いつつ開くと、バンドの「終了」お知らせ文。


NICO Touches The Walls - 18? **MUSIC VIDEO**

このMVみて、アルバム出る直前、アルバムの内容もバンドの先行きもめちゃくちゃ不安になった。けど、リリースされたアルバムもライブも、吹っ切れたようにやりたいことをやった結果最高、という状態で、この先もいろいろありつつ続いていくと思っていた。結果的にコロナでライブもそうだし、バンドでスタジオで「密」に制作もできなくなったから、タイミング的にはよい、ともあとづけできるかもしれないけど。でも、大阪で最後に聴いたDemonの「生きる」はNICOとして、じゃなくて、それぞれ個人として、ってことだったの。

半年近く経って、cero髙城くんのソロアルバムインタビューで、「ずっと同じメンバーと一緒にいるのは、ときに不健全になる。」って言っているのを読んで、多少救われた。バンドとしての色、業界でのポジション、人気、を執拗に求め続けられて、メンバーが最近これ聴いてる、とかってラジオで言ってもファンが調べて聴くか?というか、「ファン」って言いながらMusicFMで聴いてるんじゃないか?みたいな状態で続けるくらいなら、離散した方が健全なのか、とあらためて思えた。

 

長くなったので、続きは次で。